ソーシャルシフト Social Shift 斉藤徹
by Kazu on 1月 13, 2012
Looops斉藤氏の最新書籍についての結論は以下の通りだ。
この本にはソーシャルメディアマーケティングの事例やフレームワークが満載だ。しかし強調したいのは、そのような手法論ではなく、これからの企業のあり方だ。
企業にとって変えられない、いや変えるべきでないものがある。それは企業が創業の時から持っているDNA、企業理念だ。経済合理主義、行き過ぎた資本主義のもと、ややもするとお題目になりがちだった企業理念。そしてそれに基づくミッション、ビジョン、コアバリュー。その企業の一員である以上、社員は自社の哲学を共有する必要がある。なぜ我々は世の中に存在しているのか、社会にどのような貢献をすることが我々の使命なのか。我々はどのような行動をすべきか、そんな問いにいつでも答えられるよう、脳裏に刻んでおくべきだろう。
ネオCIと呼ぶべきか、この本では最終的にはソーシャルメディアのパフォーマンスを向上させるためには、究極、企業そのものが誠実であること、また共感を呼ぶ理念を持つことが重要だと説いている(少なくともそう聞こえた)。ここで2つの疑問がわく。「素晴らしい理念や誠実さだけで生活者はものを買っているのか」、「理念のような一見まじめな要素以外にも、ソーシャルで語られるものはあるのではなかろうか」だ。
また、ソーシャルのコンサルティングを主体としている企業がこのような提言をすると、企業組織やブランド哲学のコンサルティングを提供するということが次の流れになってくる。果たしてそれは実践できるのだろうか、ということだ。
また重要な点として、マーケティングファネルの変化が挙げられる。筆者も常に、いままでのファネルのあり方に疑問を持っていた。ソーシャルメディアの浸透で、購買がゴールではなく、その後の顧客体験が決定的に重要なプロセスとなった。マッキンゼーは、新しい購買プロセスをConsumer Decision Journeyと呼んでいる。以下はいままでの一般的なファネルのあり方だ。
知らないブランドでも一気に好きになって購入し、口コミする消費者もいる。また購入が全てのマーケティング活動の終わりになってしまうと、購買後の口コミ効果を設計しづらい。多くの商品には再購入の機会がある。購買後の顧客体験が事前期待を下回れば、残念ながら次回の検討段階からは漏れる可能性が高い。
また、2回、3回と同じブランドを購入し、満足度の高い顧客体験を提供できれば、顧客はそのブランドに信頼、愛着、共感を持つ。すると競合ブランドと比較することなく、購入する。いわゆる指名買いだ。以下が新しいファネルのあり方だ。
旧来のファネルは企業側からすれば、分かりやすいし、管理しやすい。また代表的な生活者の流れとも言える。繰り返しとなるが、知人や友人からの情報に共感することが、購買行動に大きく影響し始めると、旧来のファネルが代表的ではなくなっていくと筆者は思う。生活者はもっと複雑に考えて、買う。また、考えずに買う。
マーケターは、1回1回の顧客との接点をより大切にし、購入プロセスの全てのおいて期待以上の共感や感動を提供することがいままで以上に求められる。
そしてそのような体験を提供するにも大きな役割を果たすのが、従業員だ。ANAでは2004年に”あんしん、あったか、あかるく元気”というブランドステイトメントを外部スタッフを入れずに、作り上げた。そしてCS部が中心となって、「大切にすべき共通の価値観」を共有するセミナーを開いたり、グットジョブカード(同僚同士が良い仕事をした人に配る激励のカード)を実践する。リッツカールトンでも同様のカードを配っている。
現場の1人1人がANAらしさを発揮できるようインナーブランディングを実践されている。社員により”ピープルブランディング”を先駆けと言える。
グランズウェルやエンパワードでも盛んに叫ばれているが、ブランドの哲学を浸透させ、それを従業員が自然に実践する。私もそんな風通しの良い企業体の作り上げるのが今の夢だ。
リッツカールトンが大切にするサービスを超える瞬間
by Kazu on 12月 29, 2011
「おもてなし」とは何か?を考えるときに参考となる書籍を調べてました。宿泊はしたことはないが、よく噂に聞くリッツカールトン。いくつか心の琴線に触れた文章を抜粋。
リッツカールトンはクレドで有名です。クレドとは理念の羅針盤の役割を果たすものです。普通の会社でいうところの社訓やミッションです。一時期かなりこのような仕組みが流行りましたが、作ったわけいいけど実際の業務では役に立たなかったという声をよく聞きます。企業がこぞってCIを作った時に似ています。
クレドのようなものは一時期ブームになりました。結局、リッルカールトン以外ではクレドがうまく機能しなかった。その原因は、3つ考えられます。
1つは、クレドのもつ意味を深いところで理解していなかったということ。クレドは「感性の羅針盤」です。現場で問題に直面した時にクレドカードをきちんと読み解くことによって、その意味が示される。そらにその感性を全従業員が共有することで、ぶれない方向性が保たれます。
2つめは、クレドの精神を社員に浸透させる仕組み作りがなされていなかった。
3つめは、クレドが単なる上からの押しつけになっていたこと。
サービスは科学である。
感動を偶然や個人の能力だけに頼ってはいけない。サービスは科学なのだから。これは、感動は同じ価値観によって支えられた仕組みによって生み出されるべきで、運が良ければ感動を体験できるという状況ではいけないという意味です。
最近、他の業界の人とお話していると、どの業界も「ポスピタリティー」を強く意識していることに気づきます。ある自動車メーカーの方は、「私たちはクルマではなく、クルマを運転するときのわくわく感や快適さを売っているのだ」
このホテルは確かに一泊の料金は私からして見れば高い。そのような高価格帯でもリピーターは約50%以上とのことだ。機能的な差別化が難しい今、情緒的価値の差としてホスピタリティーを差別化要因として捉える。ザッポスにも通じる点がある。今度ボーナスが出たら、一度試してみたい。
ドラゴンフライエフェクト | Dragonfly Effect
by Kazu on 12月 25, 2011
ドラゴンフライエフェクト | Dragonfly Effect
上司から薦められたこの本(ドラゴンフライエフェクト)読みました。とても今の自分にぴったりの書籍です。ソーシャルメディアと社会貢献ビジネスの接点を多くの事例とともに示しています。印象に残ったフレーズをいくつか抜粋。
私たちの調査から明らかなのは、意外と聞こえるかも知れないが、個人的な目標を追い求めると、おのずと社会的な行為になるということだ。成功のためには、情熱を協力なストーリーに仕上げて、感染的に広まるように語る必要がある。
デザイン思考で重視されるのは、人間の中心とした発想、仮説検証、頻繁かつ迅速なプロトタイプの作成だ。世の中には、途中で行き詰まってしまう計画があまりにも多い。
なぜか?ブランドとか、組織とか、大義とか、個人のニーズではなく、そういう観点から計画が練られるからだ。
ビジネスでは、売上や利益が目標に掲げられることが多いが、そういう目標は明確であっても、意欲にはなかなか結びつかない。単なるお金儲けではないもっと意義のある目標を持つ企業ほど、従業員の士気が高められる。カイザーヘルスは健康の増進を、P&Gは赤ちゃんに優しい製品の提供を目標に掲げている。
研究によると、社会利益と営利活動が結びつけば、乗数効果が生じると言われる。社会利益とお金儲けは両立しないという思い込みのせいで、多くの人が苦労している。そんな誤った考えはもう捨てよう。利潤を得ることと、社会に貢献することは、同じ座標軸の両極にあるのではない。
それらは別々の次元にあるものであり、共存できるもの、ビジネスモデルを社会利益と組み合わせられる。現在、大企業が謳っている「企業の社会的責任(CSR)の大半はそれぞれのビジネスモデルやブランドとかけ離れたものばかりだ」
先日あるインタビューでアメリカの一般市民が、こう言っていた。
「アメリカは今、全てお金を中心とした価値観に偏ってしまった。お金が大切だと、その他の全ての価値観がないがしろにされてしまった」。こういう状況もあって、より人間的な活動の象徴であるソーシャルメディアが注目されている訳です。日本でもソーシャルメディアのポテンシャルをもっと生かしたい。
フェアトレードとエシカルという新しいマーケット
by Kazu on 12月 25, 2011
2011年11月、マザーハウス社長山口絵理子さんの六本木ヒルズセミナー、12月にはハスナジュエリーの白木さんのセミナーに参加してきました。記憶に残ったことを書いておきます。
マザーハウス:
マザーハウスのミッションは、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」。フェアトレードの先駆けだ。ビジネスモデルありきではなく、従事している人たちのミッションへの熱意が記憶に残った。生産工場はバングラデッシュにあり、そこの人たちが作った商品を日本で販売する。現地の雇用を守り(賃金は平均の2倍以上)、日本で比較的高価格帯で販売する。
ものが売れれば売れるほど、途上国の人たちの支援になるというモデルです。現在、販売網は日本以外にも台湾に設けている。さらに、バングラデッシュだけでなく、ネパールにもビジネス拠点を拡大。ネパールではネパールで取れる原材料を使った商品づくりをしてます。
このような発展途上国の人や文化からものを作っていく、ここのノウハウが絶対他社に負けない優位性の源泉です。普通の企業だったら、絶対組まないような人たち(途上国の人たち)と、ものを作ってます。信念に基づいて素晴らしい。
Hasuna:
Hasunaは白木さんが提唱するエシカルジュエリーをつくるブランド。この方もNPOや国連関連の支援をし続けてきた人です。私の推測ですが、Room To Readが成功したことで、それまでNGO/NPOで活動されてきた方のなかに「社会貢献するためには資金が必要。透明性を高め、ビジネスの力で大きく活動をドライブしていこう」と思った人たちが多くなったのではと思います。また、一般企業に勤めていた人たちの多くが社会貢献の分野に参入してきたということも大きい。ちなみに、Room To Readの代表を務めるジョンウッド氏の書籍「マイクロソフトでは出会えなかった転職」を私は読んだ時、本当に泣けました。人の善の熱意ってすごいですね。
白木さんはセミナーで、「それまでNGOなどで働いてきたが、もっと一般の人たちのライフスタイルのなかに、社会貢献のモデルを組み込みたかった。普通の人たちが生活して、ものを買って、ものを使うというごく普通の生活のなかにある社会貢献。そしてきちんとしたビジネスでその活動を行うことが良いと気がついた」と言ってました。
Hasunaのミッションは、「ジュエリーで輝く世界の目指して」です。こちらもポリネシア、アフリカなどの発展途上国の原材料をつかったジュエリーつくりをしてます。海外1人旅が好きな人には共感の得られるデザイン。現地の人たちのものづくりを支援して(環境や資金)、仕事が続けられるようにサポートしている。
この2社に共通しているのが、代表の方の理念や理想からビジネスが始まっているとうこと(あまりロジカルなビジネスモデルは当然のことながらない。そして、熱意があったからこそ、ここまで成し遂げられた)。また、彼らが支援する先が発展途上国であるということ。自分の仕事にすごく刺激になりました。
斉藤徹のソーシャルメディア・ビジネス活用最前線 ver.4 商品開発や販売
by Kazu on 10月 24, 2011
商品開発:
事例:NPR、Facebookで160万人のユーザーと会話
- 1日7-10本を1-2時間のスパンで投稿。友人と議論したい内容かを基準に投稿。
- 読者と編集会議(編集部のなかだけでなく、生活者とオープンに議論
事例:Facebookの事例
- Facebookの翻訳事例。3.000人以上のボランティアがFB Japanのサイト向けに翻訳をしている
- 気軽に参加、個々が翻訳をし、参加者が投票することで、品質を担保する
- スペインでは1.500人がこの翻訳プロジェクトに参加、スペイン語翻訳完了後、Facebookの利用者が1.200万人に増加した
- 現在は96言語に翻訳済み。ファンを募り、多言語化。Facebook自社で実施したら、相当なコストがかかる。
商品を売る:
- いままでは広告でアテンションをあげて、サイトの訪問者を増加させてきた。ソーシャルが加わることで、Twitter/Facebookからの流入数も増え、最初のアテンションが高くなくても、商品・ブランドがよければ、より多くの人に伝わるようになってきた。
- ソーシャルコマースで一番活用しやすいプラットフォームがFacebook(U.S.人口の約80%に普及にしていることもあり)
- On Faceook(クレジット機能、仮想通貨、共同購入), Off Facebook(ウェブサイト、チェックイン、店舗と連動)と分けられる。
事例:1-800-Flowers
- Facebookで購入ができる。Facebookは会話の場なので、販売が積極的に行われる場所ではない。花のようなギフト商品はいいが、通常は自社のコマースサイトにFacebookの機能をアドオン(APIを活用)するのが一般的。
事例:Trip Advisor
- 参加者の旅行先の情報をアドインする。FB上に旅行日記のアプリを提供している。そこからソーシャルグラグデータを吸い上げる。
- Dieselのオフライン施策の事例。店頭にQRコードを置き、読み込むとFBのLIKEボタンが押されたことになる。
- Macysでオンライン上でフィッティングができる。その結果をFBにアップ(Social Media Fitting)。6週間で1.6万人がFBサイトにアクセス。















